
2006年12月28日
松下のビクター株売却問題
松下電器産業は子会社の日本ビクターを売却する方針を固めた(ITmedia)。 売却先はケンウッドと伝えられていましたが、両社は、まだ何も決まっていないと、先の報道を否定しました(ITmedia)。とはいえ、ビクターの切り離しはかなり現実的。
中堅電機メーカー再編、なんて話には疎いんですけど、アナログレコード好きにはお馴染み過ぎる松下「Technics SL-1200シリーズ」とJVCマスタリング「小鐵 徹」。レコード録音をしていたからには、いろいろお世話になってます。現場から思うことは、これでアナログレコードを取り巻く環境はかなり苦しくなるだろうな、ということ。
名門AVブランドビクターJVCは、VHSで大成功しましたが光映像ディスク規格VHDはパイオニアのレーザーディスクに敗れ、そこからいまいちパッとしない感。とはいえ、いいスタジオにいいエンジニア、アナログレコードカッティングエンジニアとして世界的に有名な小鐵徹氏&スタジオ設備も現役!収益はともかく格が高い感じがイカしてます。ビジネス的には膨らまないけどね。だけど文化的には大いなる貢献。超有名マスタリングエンジニア田中三一氏を定年退職でばっさり切ったソニーとは対照的。
ビクターがVHDの工場を再利用しようと、数年前アナログレコードの製造(プレス)再開を試みたときも驚きました。本当に音楽が好きなのは分かるけど、何処まで本気なのか余裕があるのか勝算があったのか?
一方の松下、「2010年度に売上高10兆円、営業利益率10%」とたいそうな目標を掲げています日本を代表する巨大企業。SL-1200mkIIIは全世界で月8,000台ほど売れていたそうですが、松下的には小さい。そもそもTechnicsが小さいしさらにDJ市場なんて、ほぼ100%のシェアを持ってようが断然小さい。大きくなることも見込みづらいしね。
それでも、儲からないけれども、ひとつの文化を支えてきた皆様。大企業でそんな立ち位置にありながらモチベーションを保つというのは、とても大変なことですよ。そんな方々が危機に晒されます。これはもう間違いない。仕方がない。そうなったとき、JVCマスタリングは、SL-1200はどうなるんでしょう。
アナログレコードが無くなるのは寂しいよね。のんきに「アナログレコードはなくならない」と思いこんでいた私や皆さんは、こういう人たちに支えられていたことを、再認識しなければならない時期にさしかかっています。
Posted by reco at 2006年12月28日 23:23キャッシング
Posted by: キャッシング at 2007年02月17日 06:10